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新型コロナウイルスが5類に移行し、行動制限や自宅療養の制限が無くなりましたが、コロナウイルスの脅威が無くなった訳ではありません。身の回りで話題にされることが少なくなった今も、コロナウイルスは私たちの生活に影響を与えています。
自分自身で気を付けて対策をしていても、無自覚で感染している可能性がある。今回自分が感染して改めて思い知りました。
人により症状は違うのでしょうが、私の場合は39℃以上の高熱と頭痛が3日続き、平熱に戻ってからも頭痛と咳に悩まされました。
休業を決定してからは、ご予約いただいていたお客様や業者の方々への連絡、休業のお知らせ等に追われました。高熱があり、外は猛暑、やることは山積み。。。と大変でした。
感染が判明したのが休業日でそのまま自宅療養に入ったので、回復するまでお店には行けず、多くの食材やドリンクも廃棄することになりました。
予約のキャンセルについてはこちらからお願いすることは普段無いのでとても心苦しい連絡でしたが、皆さんに温かい言葉をかけていただき感謝の気持ちでいっぱいでした。
療養期間後には店内の消毒と仕込みや片付け、営業再開の段取りに追われました。
今回の一件でコロナウイルスによる影響は無くならないということや、お店を継続するにあたりもっと様々な視点で物事を考える必要性を感じました。
営業を再開しても、しばらくはお客様のご来店も少なくなるだろうと考えていたのですが、予約受付再開のお知らせ直後にご予約してくださったお客様もおり、感謝しております。
コロナウイルスに限ったことではなく、今後きっと様々な問題に直面していくと思いますが、あの時は大変だったと笑い話にできる日が来るといいなと思っています。
私の新型コロナウイルスの感染により7月25日㈫より休業しておりましたが、8月1日㈫より営業を再開いたします。
それに伴い、7月30日㈰の11時から、電話、Instagramにてディナーのご予約受付を再開いたします。
今回の休業にあたり、ご予約のお客様ならびにご利用を検討されていたお客様には大変ご迷惑をお掛け致しました。また、たくさんの温かい言葉をかけていただいたことに心より感謝しております。
営業再開後も引き続き感染対策を徹底し、お客様に安心・快適なお時間を過ごしていただけるよう努めてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
続いて、本来であれば7月26日㈬から予定をしておりました遠軽町 2023匠の夏採りアスパラ料理フェアについてですが、こちらも8月1日㈫の営業再開と同時に提供を開始いたします。
5度目の参加となる今回は、バジルや松の実を主原料として作るイタリアの定番ソースのジェノベーゼをイメージし、アスパラとピスタチオを中心に作ったオリジナルペーストを合わせたパスタです。
1週間遅れてのスタートとはなりますが、多くのお客様に楽しんでいただけたら幸いです。
オステリア デッラ ミゼリア
オーナーシェフ
久々の投稿になります。
今日は、イタリアの生ハムが長期に渡り輸入出来なくなっていることについて触れたいと思います。
始まりは2022年1月にイタリアでアフリカ豚熱に感染したイノシシが確認されたことでした。その後、養豚場でも感染した豚が見つかり農林水産省はイタリアからの豚肉、プロシュット、コッパ、パンチェッタ、サラミ等を含む豚肉加工品全般の輸入を停止しました。アフリカ豚熱は有効なワクチンや治療法が確立しておらず、豚は発熱や全身の出血性の病変を生じ収束の目途は立っていません。
では、いつからまたイタリア産生ハムを口にすることができるのか知りたいところですよね。感染が収束したとしても生ハムは熟成期間の短い物で9か月、当店で扱っているものは12~24か月熟成のもので、生産が再開されても恐らく2年間は手に入れる事ができないと考えています。また、輸入再開後も需要に対し供給が追い付かずに入手できなかったり価格が高騰する可能性が高いと考えています。
イタリア産生ハムは、PROSCIUTTO(プロシュット)と呼ばれます。
一般的に、生ハムと呼ばれているのはPROSCIUTTO CRUDO(プロシュット・クルード)と呼ばれる非加熱タイプで、同様の形状で加熱して作られるPROSCIUTTO COTTO(プロシュット・コット)と呼ばれるハムもあります。
日本ではローマ字読みで、プロシュートと呼ばれることもあり、初めて聞いた時はパラシュートが思い浮かんだのを覚えています。
特に有名なのは、イタリア中部のエミリア=ロマーニャ州のパルマ産のもので、PROSCIUTTO DI PARMA(プロシュット ディ パルマ)と呼ばれ世界的にもその名は知られています。当時、”生ハムはワインと違い屋内で造られるから作る場所が変わっても作り方や熟成方法の方が重要なのでは?”と考えていました。
私がイタリア滞在時に、パルマの生ハム工場の見学をしましたが、製造途中の生ハムが並ぶ光景は圧巻でした。パルマの気候と土地が他には無い味わいを作るというのは実際行ってみないとわからないと肌で感じました。
パルマ以外で作られる生ハムはノンパルマと呼ばれます。パルマ産と同じ製法でも他の地域の豚肉を使用していたり他の国を産地とするものではパルマ産とは呼べませんがパルマ産に似た美味しさを感じ方ができるものも多くあります。
ノンパルマだからこそ作り手の考え方が反映された個性のある製品も多数あります。
現に、イタリアで沢山の美味しいノンパルマ産生ハムに出会いました。
イタリア産の生ハムは入手ができなくなりましたが、お店では生ハム、サラミ各種を提供しています。使用しているものは主にスペイン産のものです。使用しているものは、世界三大ハムの一つであるハモンセラーノです(イタリアのパルマ産プロシュットも世界三大ハムの一つです)。
生ハム、サラミに関してはスペインやアメリカでも作られています。生ハムはイタリアの生産者がイタリア以外の工場で生産しているものもがあり、その他の加工品もスペインでイタリアのレシピを忠実に再現して生産しています。
見た目はイタリア産のオリジナルと比較すると小ぶりであったり、味の違いも感じますが、オリジナルをリスペクトして作られた高品質な製品が多いと感じています。
イタリア産生ハムは当面は口にすることはできませんが、マイナス面ばかりではないと考えています。普段イタリアンのお店では提供機会の少ないイタリア産以外の高品質な豚肉加工品を楽しむことができ、イタリア以外の取り組みや製造について私自身も学ぶことが多かったです。
お客様にも違いを楽しんでいただけたら幸いです。
オステリア デッラ ミゼリア
オーナーシェフ